ブレーメンの音楽隊?

 バンドブーム華やかなりし頃、ネットなどが無くともメンバーを見つけることに不自由は無かったと記憶しています。昭和の時代は人間同士が何かを行うということは、ごく普通のことでしたが、現代では人との関わりを出来るだけ避けようとするような社会となってしまったためか、一緒に演奏するメンバーや、活動を共にするスタッフを探すというだけのことが、とても難しいものとなってしまったようです。

 実際、私たちも複数のメン募サイトなどで一年以上にわたり募集し続けましたが、一件の応募もありませんでした。特殊な楽器の演奏や、特別なスキルを求めているわけではなく、タンバリンのようなシンプルな楽器を、リズムに合わせて叩いていただくだけという、トライしやすい分野でさえ、一人も見つけることができないという状況だったのです。

 やはり音楽人口の減少というのも理由の一つなのでしょうか。若者の音楽離れという説も耳にしますが、年齢性別経験問わずで募集しても反応が皆無なことから、若者のみならず世の中全体が音楽離れの傾向にあるようにも感じます。(さらに、社会の変容と地域の活力の低下など、さまざまな要素を考えると、音楽文化の活性化は困難と言わざるを得ません。)

 募集の件に話を戻しますと、そもそもネットに頼りすぎていたという面があることは否めません。以前は、ネットやSNSの方が、実社会での人的つながりを基に探していくより、広範囲を素早く効率良く探ることができるだろうという、根拠のない思い込みのようなものがありました。今ではネットやSNSでの募集効果は、私たちの規模ではほぼ無いということが解りましたし、私たちよりも規模が大きく、20年以上活動されているバンドでさえ、ネットでは全く応募が無いと話していましたので、やはりそういうことなのかなと思います。

 現在は、今居る人員でできることをやるというスタンスになっていますので、人員増加の希望は持ちつつも、積極的な募集は行っておりません。今は規模の拡大よりも、自分たちの納得できる活動をしていくことを重視しており、その中で巡り合わせと言うか、ご縁があれば自然と仲間も増えていくのかなと思っています。

三年前の夏。

作成者: Az

アコースティックユニット Premier Ensembleのブログです。